ぼくのネタ帳

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『X-men : ダーク・フェニックス』ネタバレ感想/ 残念ながら、予想どおり残念

X-men:ダークフェニックス』を観てきた。

 

予告編はこれ。

 

 

ストーリー概要(Wikipediaより抜粋)

アポカリプスから人類を救う戦いから10年。 サイコキネシスとテレパシーの特殊能力をもつミュータントであるジーンは、宇宙でのミッションで起きた事故が原因で自分の中のダークサイドが増幅し、制御不能になってしまう。 そして、彼女の内に封じ込められていたもう一つの人格〈ダーク・フェニックス〉が解き放たれ、地上の生命体が全滅しかねない危機が訪れる。

 

宇多丸さんのラジオで「20世紀FOXのX-menは最後で、今後はMCUと合流予定」と言っていた(次作の『New Mutant』もFOXでは…?)。
 

 点数:40点

ぴったし予想どおりのイマイチ感。前作の『アポカリプス』よりは、まだちょっとマシだったかな。。?

 

以下、まず良かったところ。

①映像が綺麗

既視感満点ではあるものの、超能力対決を描くアクションシーンの迫力はやはりあったと思う。

②いくつかのアクションシーンのアイディア

これはシリーズ過去作で見たことなかったかな、というような、これまでと一味違うアクションもあった。列車内のバトルで、マグニートが敵キャラをそこら中の銃器で集中砲火するとか。敵のモブキャラを一車両まとめてグシャッとか。ナイトクローラーが敵キャラを線路に置き去りにしてグシャッとか。いろんな能力者が玉石混淆で登場するのがX-menならではの面白さなんだから、こういう楽しいのをもっと見せてほしい!

③ミスティークが死ぬところ

悲しいけどショッキングという意味では良かった。この映画で唯一、ひねりのある展開。

ジーン役の女優さん

若い時のダイアン・クルーガーみたいな、肉肉しい感じの美人で、キャラ(本人も持て余しちゃうほどの生命力)と合ってていいと思った。宇宙から帰ってきてハンク(ビースト)が彼女の健康状態をチェックするところは、ベッドに寝てるのに出るところが地球の重力に負けずしっかり出ていて、そっちにばかり目がいってしまった私は心が汚れています。その後に「(ハンクの)心を勝手に読んじゃった、ごめん」みたいなセリフが出てきて、なぜだかギクッとしてしまった。

 

次に、悪かったところ

❶音楽

ずーーーーっと不吉な感じのメインテーマが続く。何回同じ曲聞かせんだ。最後ジーンが学園の名前になったり、空を飛んでたり、要は神話的な存在にしたいのでしょう。それゆえの仰々しい曲(一部声楽つき)だと思うんだけど、しつこい。これは音楽のせいというよりは、ずーーーーっと同じ展開だから同じ音楽になっちゃうということもかもしれない。ちなみに『インターステラー』に似てるなと思ったら作曲がハンス・ジマーだった。

❷敵キャラの魅力のなさ

全く個性がないので、面白くない。これだったらミュータント同士の戦いをずっと見せてほしかった。

❸アクションシーンが見辛い

そのミュータント同士の戦いも、中盤に一箇所だけどあるんだけど、結構見づらかった。狭い道路でごちゃごちゃやってて誰がどこにいて何をやってるんだかよくわからん。特にプロフェッサーの能力は、視覚効果でビームがピカッみたいに見た目に変化がないので、誰の頭に入って何をしようとしているのかがわかりづらい。ジーンに辿り着いて殺そうとするマグニート一派VSそれを阻止しようとするプロフェッサー一派なんだから、もっと左右びっちり分けて整理して見せてくれと思った。このあたり、MCUの『エンドゲーム』や「シビルウォー』は本当にすごかったんだなと思ったり。

❹プロフェッサーとマグニートーの描き方

二人とも、過去作での苦労と学びは何だったの?シリーズものにありがちな展開として、続編を作るためにキャラクターの成長を作品ごとにリセットしてしまうことがある。でもこの二人にそういうことはして欲しくなかったな。本作では、成長をリセットどころか、これまでよりも人間的に問題のあるキャラクターになっている。

まずプロフェッサー。冒頭から、仲間の命を危険にさらしてミッションを続行させるっていうのが、これまでのプロフェッサーからすると違和感がある。さらに、その後、ジーンのトラウマにロックをかけていたことが発覚する展開。この件では、一貫してプロフェッサーが悪かったということで、周りが責める。本人もバツが悪そう(つまり悪いと思っている)。でも、そうかな?この対応、本当に悪いか?自分の能力でお母さんを殺しちゃったこと、そのせいで父親に捨てられたことを隠すって、そんなに間違っているか?暴走したら大変なことになるような女の子なんだから、適切な処置をとったんじゃないのかな。なんでプロフェッサーはそういうことを、みんなに理知的に説明しないのか。「ほーら、大人になってから暴走したら大変なことになったじゃないか!」と後から言うのは簡単だけどさ。でもそれはあくまでも結果論だ。実際に幼いジーンを保護して、その時その時で彼女にとって最善と思えるやり方で育てたんだから、とやかく言われる筋合いはないと思うんだけどな。なぜその点を主張しないのか。周りの人たちも、最近プロフェッサーに対するイライラが溜まってるんだか何だか知らないが、そのくらい気づけよ。

次にマグニートー。一旦復讐心を捨てて、また悲劇が起こって復讐に走るって、『アポカリプス』でもやってましたよね?結局何も学んでいなかったのね。しかも今回はレイブンの死の復讐をっていうんだけど、マグニートーはそんなふうにレイブンのことを純粋に愛していたみたいな顔をしてはいけないと思うのです。『フューチャー&パスト』では、ミュータントの未来のためにならないと知るや、(説得という手段があったにも関わらず)即殺しにかかるような関係だったはず。今更好きだったって、何いってんだ。その上、電車の中では「レイブンはそんなこと望まない」って言われただけで心変わりしちゃうし。そんなことで心変わりするなら、復讐心たぎらせる前にもうちょっと自力で考えろと言いたい。

 

以上、いいところ、悪いところでした。

 

そんなわけで、全体としてはもうひどかった。

ジーンの暴走という意味では『X-men:ファイナル・ディシジョン』の方がずっとずっと面白い。

みんな、改めて見直してみてほしい。

『ファイナル・ディシジョン』は、そんなに悪くないです。