ぼくのネタ帳

映画や日々の考えについて書いてます。

夢のこと(猿の少年)

ぼくは夢をよく見る。

プロ野球選手になりたい、などのアレのことではなく、夜眠っている間に見るあっちの方だ。

 

夢あるあるだと思うが、夢を見ている間は生々しい人生の一部としてその中で生きているのに、目が覚めるとあっという間に細部を忘れてしまう。

目覚めてから夢の鮮やかさが失われるまでのスピードは、本当にすごい。ベッドから起きて、鏡に向かって立つくらいまでで、かなりの部分を忘れてしまう。顔を洗う頃には、もうあらすじさえ覚えていない。後には、何となく怖かった、楽しかったといった「印象」だけが残る。これってぼくだけではないですよね。。?

 

しかしちょっとした工夫で、夢はかなり鮮度の高い状態で保存できる。

その方法とは、起きて30秒以内にメモ(いわゆる夢日記)をつけることだ。たった1シーンでもうまく記録できれば、その夢の感触は永遠に失われない。ぼくはそのようにして記録した夢のメモをたくさん持っている。何年もたった今でも、それらを読み返すとたちどころに、その時の感触を思い出すことができる。ある場合には、実際の体験についての記憶よりもずっと鮮明に、強い感情を呼び起こされる。

 

例えば以下は、去年の3月に見た夢のメモである。

 

科学の力で高度な知能を与えられた猿が、見世物として放たれているサファリパーク。ぼくは中学時代からの友人Hと一緒に歩いている。
林の小径を進んでいくと、木立から人語を解する猿の少年と、その世話役(こちらも猿)が登場。彼らとぼくらを隔てるのは、高さ1Mもない柵だけだ。
猿の少年は唐突に腕を差し出し、握手を求めてくる。そのような行為は禁止されているはずだ。パークは彼らを厳しい管理下に置き、反乱を起こされまいとしている。ぼくも一瞬、猿の少年は、ぼくの手を竹のようにバキバキと握りつぶす気では、と怖くなる。しかし、彼は知的な目で、静かに試すように、ぼくを見ている。ぼくは自由な精神と信頼を示したくて、手を差し出す。
途端にガッと掴まれて一瞬びびり、反射的に助けを求めて周りを見てしまう。が、少年に敵意がないことは明白。ぼくは一瞬で自分の臆病を恥じ、警備の目がないかを確認しただけですよ、という感じの微笑みでなんとかごまかした(この間1秒くらいである)。

少しの罪悪感、そして敗北感。

少年と世話役は柵を超えてきて(これもまた、重大なルール違反のはずである)、ぼくらは一緒に歩く。その後、やはり警備に見つかってしまう。逃げるがつかまって、みな牢獄に入れられる。

牢獄にて。猿の少年、見事な記憶力。小説の長い1ページをまるまる諳んじる。どんな趣旨の文章だったかは忘れたが、それが種を超えた、非常に勇敢で強い訴えかけであることが、誰にでも伝わってくる。
味方の心を奮いたたせ、敵を一層刺激してしまうほどに。

 

以上。

わかっている。とてもバカバカしい内容だってことは。

でも面白いのは、こんなにバカバカしいのに、ぼくはこのメモを読むたびに、あの猿の少年、猿の権利のために戦う知的な目の彼のことを、ありありと思い出せるのだ。

 

夢日記は面白い。

この他にも、乃木坂46の女の子たちとプールで一緒に遊ぶ夢など、一生覚めたくなかったような夢もあったりする。これからもたくさん楽しい夢を見て、蓄積していきたい。