デニーズの女の子
ぼくが通っているジムの隣に、ファミリーレストランの「デニーズ」がある。
半年くらい前は、よく仕事帰りにジムで運動をしてからデニーズで夕飯を食べていた。
ファミレスの食事は、一人暮らしで料理のできない男には貴重な栄養源だ。
ここぞとばかりにサラダとか、温野菜の蒸したのなんかを食べる。
その頃よく見かけていた、新人っぽいバイトの女の子がいた。
多分大学生か、もしかしたら高校生かもしれない。
ホール担当で、お店に入ると「いらっしゃいませ、デニーズへようこそ!」とはじけるような笑顔で出迎えてくれる。
注文を聞いてメモをとり、キッチンへ戻り、料理を持ってきてくれるその間、一瞬たりとも笑顔が曇ることはない。
短いスカートから伸びる健康的な足が眩しい。若いなあとしみじみ思った。
最近は、ジムには昼休みに行くようになったから、必然的に夜デニーズに寄ることもなくなっていた。
この間ひさしぶりに行くと、あの女の子はまだ働いていた。
新人っぽさがなくなって、驚くほど落ち着いていた。
「いらっしゃいませ、デニーズへようこそ」も、「!」がつかない。
とても物腰柔らかで、だけど感じがいい。まるでちょっといい料亭の仲居さんみたいだ。
もう熟練の風格だなあと感心しつつ、元気一杯だったあの頃を惜しくも感じてしまう。
また「!」つけてくれないかなあ。。