ぼくのネタ帳

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映画『ジョン・ウィック:パラベラム』/ ネタバレ感想

先週末、『ジョン・ウィック:パラベラム』を見てきた。

 

 

本国アメリカからはだいぶ遅れて、10/4(金)にやっと日本公開。やー、待った待った。。それでは、ネタバレ感想をば。

 

点数:70点

たのしい!(キアヌ・リーヴスの体技含め)現代最高の技術と斬新なアイディアを凝らした超絶アクションの数々! でもあいかわらずちょっぴり不満(主にストーリー面)もある!

 

まずはよかったところ。

 

①アクション最高

特に冒頭30分がすき。正直その後のどのシーンよりもたのしかったな。

前作ラストで、コンチネンタル(世界規模の殺し屋協会的なもの)からの追放が決定したジョン。あと1時間で除籍され、世界中の殺し屋から狙われる、というところで終わっていた。

本作はその直後からはじまるので、あの手この手で追っ手を撃退してNYの街を逃げまくるアクションが堪能できる。図書館→ナイフ投げ→馬、全部面白かった。間にはさまれる闇医者のくだりもすき。毒々しいネオンの光も綺麗。

馬といえば、カサブランカの犬もだけど、今作は動物を武器としてつかうアクションが斬新だった。馬の後ろ蹴りまで含め、本物をつかっているらしい。すごい。

あとは中盤のバイクチェイスもよかった。韓国映画「アシュラ」のカーチェイスをバイクでやったみたいな感で、カメラがとにかくグルングルン動く。その中で、バイクがあっちこっちへすっ飛び、ジョンがあっちこっちを刺しまくる。ど迫力だった。

あらためて上の動画を見て、やっぱりすごいと思う反面、映画館じゃないとこんなに迫力が減じてしまうものかと愕然とした。絶対に絶対に、劇場公開中に観るべき映画なのは間違いない。

 

②個性的な殺し屋たちのキャラクター

特によかったのは、敵キャラの「ゼロ」とその弟子たち。普段は寿司屋というケレン味たっぷりの登場からしていい感じ。弟子含め、ジョン・ウィックを伝説的殺し屋としてリスペクトしているところに好感が持てる。殺しを単なる仕事でなく「技術」として見ている、つまりプロだからこそのリスペクトというか。こういうのはわくわくした。

あとは、「裁定者」の女性もかっこよかった。度を超えて上品な手袋の持ち方とか、バカバカしくて好き。

 

つづいて、不満なところ。

 

❶ジョンが行き当たりばったり

前作までは、主人公ジョンに「復讐」というがっちりした動機があって、その点でストーリーにブレがなかった。

今回は、「協会に許しを乞うためカサブランカへ」→「ウィンストンを殺せば許すと言われる」→「ウィンストンを殺しにNYへ」→「やっぱり気が変わってウィンストンと共闘」→「ウィンストンに裏切られて激怒」と、なんだかフラフラしている。今回の動機は言うなれば「ただただ生き延びること(死んだ奥さんとの記憶を守るために、という大義の下ではあるが)」だから、前作までのように復讐にむかって猪突猛進する爽快さはない。

今作ラストで再び「復讐」という動機ががっちり定まったので、次作はまた猪突猛進マシンに戻るんだろう。だけど、それはそれでイマイチ納得感がない。もともとウィンストンは、貴方に情けをかけた罪で協会を追われかけていたわけで。それで見捨てたからと言って、「裏切りやがったな(激昂)」はちょっと違くないか?もともとお前が悪いじゃん、とちょっと思ってしまう。

ただ確かに、ウィンストンの裏切りにはかなりガッカリした。ジョンに情けをかけて1時間の猶予を与える→協会から追放されかける→ジョンを騙して殺そうとするって、思ったより小者だ。驚きより落胆が大きかった。

 

アクションシーンが多い

多すぎて、最後の方は少し飽きた。すごいのはすごいんだけど、もう感覚が麻痺して感動できなくなった。このあたりは好みの問題だけど、ぼくは『ミッションインポッシブル:フォールアウト』みたいに、スカイダイビング、格闘、カーチェイス、と違う種類のアクションをたくさん見せてくれるようなアクション映画がすきなのだ。

本作はアクションの中でも「格闘」というジャンルに特化して、その中でいろんなバラエティを見せるタイプの作品。いわば、格闘"通"好みの作品だ。ぼくは正直そこまで細かい違いを楽しめるほど目が肥えていないので、最終的には食傷気味になってしまった。逆に、こういうのが本当にだいすき、という人にはたまらない出来栄えなのかも。

あと所々、ちょっと振りつけ感が強すぎるようにも感じた。ジョンがゼロの弟子に蹴られてガラスケースに突っ込むところとか、さすがに自分から飛び込んでいるようにしか見えないかった。

あと、ハル・ベリーと共闘するカサブランカのアクションシーンは、前述のとおり犬を使うアイディアは斬新で面白い(死んでるのに気付かず噛みつづけるの可愛い)けど、ハル・ベリー自身はやっぱり決まった振りつけ通り動いている感が否めなかった。このあたりは、隣で戦っているキアヌ・リーブスの演技力、アクションこなし力がすごぎる、ということなのかもしれない。

 

以上、偉そうに語ってしまったけれども、あくまでも素人の感想だ。アクションの技術的なすごさなんてわからないので、ただ単に自分の印象を書いただけ。

 

ともあれ、あの終わり方だから続編はあるんだろう。今作タイトルの「パラベラム(戦いに備えろ、という意味だということが作中のセリフで判明する)」も、ウィンストンとの対決を見据えたものと思われる。もちろん、次作も絶対に見る。次はどんなアイディアが見られるのかたのしみだ。