ぼくのネタ帳

映画や日々の考えについて書いてます。

初・しまなみ海道(初日/東京➡︎今治)

愛媛県今治市に来ている。

3日分の服と自転車を持って。明日、明後日と2日間かけて、しまなみ海道を自転車で渡るのだ。

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しまなみ海道は日本一のサイクリングコースと言われているらしい。愛媛県今治市から広島県尾道市までのおよそ70km、それぞれに個性を持つ6つの島と7つの大橋からなるコース、らしい。元々景色がよく食べ物が美味しい土地だが、それだけではない。地域住民と自治体が一丸となってサイクリストたちが快適に走れるよう様々な工夫をこらしている、らしい。全部自転車に詳しい先輩の受け売りだ。

 

そんなしまなみ海道を、マイ自転車で渡ってみようと思ったわけである。新幹線で東京から松山まで来て、そこから高速バスで今治まで来た。明朝出発し、しまなみ海道の途中の大三島で一泊、明後日尾道まで戻る計画だ。

 

1日4-5時間ゆっくり漕いでいれば走破できる行程で、体力的にはそれほどキツいものではないはずだ。景色や食事を楽しむゆとりも十分あるだろう。わくわく。

 

実はしまなみ海道に挑戦するのは初めてではない。2年前、入社2年目の夏休みも自転車を抱えて香川までは行った。そこから四国の北、瀬戸内海沿いを西に下って、今回と同じように今治から行こうと思ってたのだ。会社からバンバン仕事の電話やメールが来て、旅行どころでなくなるまでは。あのときは、結局香川県から出られなかった。

 

今は仕事量も落ち着いたし、休み前に片付けて人に引き継いでおくくらいの知恵はついた。今度こそ存分に楽しんでやるのだ。幸い天気予報では晴れマークが続いている。季節柄、そこまでカンカンに暑いということもないだろう。

 

時は来たり!

 

景気付けに今治で有名だという中華屋・重松飯店さんに行き、名物の焼豚卵飯を食べてきた。

 

開店15分前に行ったのに、すでに5人並んでいた。すごい人気だ。

 

となりに座った常連っぽいおじさんが「焼豚卵飯 大(だい)」を頼んでいたので、ぼくもすかさずマネをする。

出てきたのがこれ。

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写真だとサイズが伝わらないのが悔しい。ものすごい大きさなのだ。三人前はある。出てきた瞬間となりのおじさんも「でか…」とつぶやいたほどである(常連じゃないんかい)。

 

後ろの席の女子高生たちもメニューを見ながら「これ大(だい)はすごい大きいって書いてあるよ」と言っているが、もはやあとの祭りだ。

 

噂に違わず味は大変おいしかった。半熟卵と脂ののった焼き豚、甘いタレがよく合う。とはいえ、さすがにラスト3分の1はちょっと気持ち悪くなってしまって、ゆっくりゆっくり食べざるをえなかった。並んで待ってる人がいるだけに、申し訳ない。ちなみに隣のおじさんはササッと食べ終えてすぐ出ていった。

お店は悪くないし、おじさんも悪くない。ぼくだけが間違いを犯した。

 

パンパンに膨らんだ腹をかかえ、今日泊まるユースホステルについて、今に至る。キツかったが、これで明日1日分くらいのカロリーを取れたと思えば、まあよしだ。

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ユースホステルはすきだ。相部屋って、なんか修学旅行みたいでわくわくする。そろそろちゃんとしたホテルに泊まるべき年齢なんだろうなと思いつつ、あともう少し、こういう安上がりな旅をプラプラ楽しんでいたい気がしている。

 

ここは11時消灯らしいので、それまで読みかけの「スタンド・バイ・ミースティーブン・キング」を読もうと思う。そろそろ「マイロ、玉に食いつけ」のシーンがくる。わくわく。

映画『ジョーカー』/ よかったけど、これはジョーカーじゃない

映画『ジョーカー』を見た。ほんとは公開翌日に『ジョン・ウィック:パラベラム』と連チャンで見たんだけど、感想がまとまらなかった。今更ながら、感想を書いておきたいと思う。

 

世間的には絶賛の声が多い。たしかに、ひとりの孤独な男が追い詰められ、我慢をやめてハッピーな犯罪者になる話として、大変よくできたいい映画だったと思う。ストレス満点で悲惨な暮らし⇨からの解放の、うしろめたい爽快感がすごかった。ホアキン・フェニックスの怪演も、相変わらずすごかった。

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が。ぼくが言いたいこと、不満なことはただ一点。これは「ジョーカー」じゃないってことだ。

 

ぼくはコミックのファンではないけど、ジョーカーにフィーチャーした作品の中でも最高傑作とされる「キリング・ジョーク」は読んだことがある。ジョーカー誕生とバットマンとの切なすぎる決着とを、同時に描いた作品だ。めっちゃよかった。また、映画版は、ティム・バートン版、クリストファー・ノーラン版それぞれのバットマン映画、およびデヴィッド・エアーの「スーサイド・スクワッド」は見た。御多分にもれず、「ダークナイト」のヒース・レジャーのジョーカーがいちばん好きだ。

 

もちろん、今回の「ジョーカー」はリブート(仕切り直し)なので、過去作ときちんとつながっていないとダメ、とは言わない。独自のジョーカー像でかまわない。

でも、どの作品のジョーカーも「バットマンの宿敵」であることは共通していた。ジョーカーは、狂っているけどバカじゃない。「倫理感」という尺度において狂っているのであって、「知能」という尺度では狂っていない。罠をはりめぐらし、バットマンを翻弄するだけの知性がある。だからこそ、腕力はなくとも、犯罪界の道化王子としてカリスマ視され、恐れられるキャラクターであったはず。

 

そこへ行くと、映画「ジョーカー」のアーサーは、こう言っては悪いけど「倫理感」と「知能」両方で狂っている

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髪を緑にしたり、口のまわりを赤く縁取ったり、たくさんのフォロワーを抱えたり、ブルース・ウェインとの因縁を作ったりと、どれだけたくさん「これはジョーカーです」という言い訳を並べたって、この頭の弱いひとがバットマンと渡り合う強敵になれるわけないではないか。

 

絶賛している人は、アーサーが「ジョーカー」として次の映画に出てくるところを想像してみてほしい(実際には多分DCユニバースには出てこないだろうけれど、あくまでも仮の話として)。かわいそうに、無残にボコられて捕まる姿しか想像できないはずである。そりゃそうだ。アーサーは最後まで弱者のままなんだから。たまたまカリスマに祭り上げられてしまっただけで、本人に能力はないんだから。

それなのに、安易にこういう「救われた」みたいな描き方をするのは、それこそ欺瞞ではないか?現実には、アーサーみたいな人は救われないし、たまたまが重なって映画のラストみたいに皆のヒーローになったとしても、ハリボテはすぐに壊れてしまう。

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あの車の上で「ジョーカー」が完成する瞬間は、たしかに美しい。だけど、あれはいわゆる「人生最高の瞬間」であって、持続するものではない。フォロワーたちだって、すぐに「本当に狂っているだけなんだ」って気づいてしまうはずだ。そういう後のことは全て無視して、「はい、これでジョーカーになりました」って、描き方としてすごくズルくないか?だったらジョーカーじゃなくて、はじめからオリジナル作品にしなよ。

あるいは、ジョーカーという悪のカリスマが既にいる世界で、アーサーはそのフォロワー、という立ち位置であれば、より納得感があったかも。

 

すごくできのいい映画だっただけに、見ている間ずっとアーサーがきっちり「ジョーカー」になってくれることを期待した。頼むから、何かひとつでいいから、ただの凶行ではなく「企み」を持って権力者たちを一泡ふかしてくれ、と思った。でも最後まで、たまたまうまく行くだけの人だった。

 

だからやっぱりぼくの結論は、いい映画だったけど、これはジョーカーではない。いや、いい映画なんだから、いいんだけどね。。

映画『ジョン・ウィック:パラベラム』/ ネタバレ感想

先週末、『ジョン・ウィック:パラベラム』を見てきた。

 

 

本国アメリカからはだいぶ遅れて、10/4(金)にやっと日本公開。やー、待った待った。。それでは、ネタバレ感想をば。

 

点数:70点

たのしい!(キアヌ・リーヴスの体技含め)現代最高の技術と斬新なアイディアを凝らした超絶アクションの数々! でもあいかわらずちょっぴり不満(主にストーリー面)もある!

 

まずはよかったところ。

 

①アクション最高

特に冒頭30分がすき。正直その後のどのシーンよりもたのしかったな。

前作ラストで、コンチネンタル(世界規模の殺し屋協会的なもの)からの追放が決定したジョン。あと1時間で除籍され、世界中の殺し屋から狙われる、というところで終わっていた。

本作はその直後からはじまるので、あの手この手で追っ手を撃退してNYの街を逃げまくるアクションが堪能できる。図書館→ナイフ投げ→馬、全部面白かった。間にはさまれる闇医者のくだりもすき。毒々しいネオンの光も綺麗。

馬といえば、カサブランカの犬もだけど、今作は動物を武器としてつかうアクションが斬新だった。馬の後ろ蹴りまで含め、本物をつかっているらしい。すごい。

あとは中盤のバイクチェイスもよかった。韓国映画「アシュラ」のカーチェイスをバイクでやったみたいな感で、カメラがとにかくグルングルン動く。その中で、バイクがあっちこっちへすっ飛び、ジョンがあっちこっちを刺しまくる。ど迫力だった。

あらためて上の動画を見て、やっぱりすごいと思う反面、映画館じゃないとこんなに迫力が減じてしまうものかと愕然とした。絶対に絶対に、劇場公開中に観るべき映画なのは間違いない。

 

②個性的な殺し屋たちのキャラクター

特によかったのは、敵キャラの「ゼロ」とその弟子たち。普段は寿司屋というケレン味たっぷりの登場からしていい感じ。弟子含め、ジョン・ウィックを伝説的殺し屋としてリスペクトしているところに好感が持てる。殺しを単なる仕事でなく「技術」として見ている、つまりプロだからこそのリスペクトというか。こういうのはわくわくした。

あとは、「裁定者」の女性もかっこよかった。度を超えて上品な手袋の持ち方とか、バカバカしくて好き。

 

つづいて、不満なところ。

 

❶ジョンが行き当たりばったり

前作までは、主人公ジョンに「復讐」というがっちりした動機があって、その点でストーリーにブレがなかった。

今回は、「協会に許しを乞うためカサブランカへ」→「ウィンストンを殺せば許すと言われる」→「ウィンストンを殺しにNYへ」→「やっぱり気が変わってウィンストンと共闘」→「ウィンストンに裏切られて激怒」と、なんだかフラフラしている。今回の動機は言うなれば「ただただ生き延びること(死んだ奥さんとの記憶を守るために、という大義の下ではあるが)」だから、前作までのように復讐にむかって猪突猛進する爽快さはない。

今作ラストで再び「復讐」という動機ががっちり定まったので、次作はまた猪突猛進マシンに戻るんだろう。だけど、それはそれでイマイチ納得感がない。もともとウィンストンは、貴方に情けをかけた罪で協会を追われかけていたわけで。それで見捨てたからと言って、「裏切りやがったな(激昂)」はちょっと違くないか?もともとお前が悪いじゃん、とちょっと思ってしまう。

ただ確かに、ウィンストンの裏切りにはかなりガッカリした。ジョンに情けをかけて1時間の猶予を与える→協会から追放されかける→ジョンを騙して殺そうとするって、思ったより小者だ。驚きより落胆が大きかった。

 

アクションシーンが多い

多すぎて、最後の方は少し飽きた。すごいのはすごいんだけど、もう感覚が麻痺して感動できなくなった。このあたりは好みの問題だけど、ぼくは『ミッションインポッシブル:フォールアウト』みたいに、スカイダイビング、格闘、カーチェイス、と違う種類のアクションをたくさん見せてくれるようなアクション映画がすきなのだ。

本作はアクションの中でも「格闘」というジャンルに特化して、その中でいろんなバラエティを見せるタイプの作品。いわば、格闘"通"好みの作品だ。ぼくは正直そこまで細かい違いを楽しめるほど目が肥えていないので、最終的には食傷気味になってしまった。逆に、こういうのが本当にだいすき、という人にはたまらない出来栄えなのかも。

あと所々、ちょっと振りつけ感が強すぎるようにも感じた。ジョンがゼロの弟子に蹴られてガラスケースに突っ込むところとか、さすがに自分から飛び込んでいるようにしか見えないかった。

あと、ハル・ベリーと共闘するカサブランカのアクションシーンは、前述のとおり犬を使うアイディアは斬新で面白い(死んでるのに気付かず噛みつづけるの可愛い)けど、ハル・ベリー自身はやっぱり決まった振りつけ通り動いている感が否めなかった。このあたりは、隣で戦っているキアヌ・リーブスの演技力、アクションこなし力がすごぎる、ということなのかもしれない。

 

以上、偉そうに語ってしまったけれども、あくまでも素人の感想だ。アクションの技術的なすごさなんてわからないので、ただ単に自分の印象を書いただけ。

 

ともあれ、あの終わり方だから続編はあるんだろう。今作タイトルの「パラベラム(戦いに備えろ、という意味だということが作中のセリフで判明する)」も、ウィンストンとの対決を見据えたものと思われる。もちろん、次作も絶対に見る。次はどんなアイディアが見られるのかたのしみだ。

空港のカウンターがまぎらわしいこと

しばらく更新をサボってしまった。

日曜日から、初めての海外出張に行っていた。

 

仕事面でも本当にいろいろ勉強になったし、空いた時間で美味しいものを食べたり、名所に行ったりで、充実した時間だった。

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ホテルの部屋から見たシンガポールの夜景。ビル群がカッコよかった。

 

毎度の事ながら、行き帰りの空港は緊張した。空港ってどうしてあんなに落ち着かない気持ちになるのだろうか。ぼく自身に渡航の経験があまりないこともあるのだろうけど、チェックインして、手荷物を預け、保安検査場を抜け、搭乗ゲートの前の待合スペースで座るまでは、どうもソワソワしてしまう。何かミスをして、飛行機に乗れなくなるのが怖いのだ。

だから必ず搭乗時刻の2時間半前にはついて、上記のルートを駆け抜ける。カードで入れるようなラウンジがあっても、入らない(ぼくの知る限り、そういうラウンジはだいたい保安検査場より前にあるからだ)。食事は、搭乗ゲートのすぐ前にある売店で簡単に済ませる。とにかく一刻も早く搭乗ゲートに辿りついて、ついたらついたでそこからなるべく離れたくない。

 

ところで思うのだけど、「手荷物カウンター」っていう名称はまぎらわしいので本当にやめた方がいい。

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「手荷物カウンター」とは、保安検査場の前に設けられた、スーツケースや自転車など、機内に持ちこまない荷物を預けるカウンターだ。預けるのは、だいたいが大きかったり重かったりする荷物。そうでなかったら、いちいち預けたりしない。預けてしまったら、目的地についた後にあの回転寿司のようなぐるぐるの前で、出てくるのを待たねばならないのだから。機内に持ちこめるような小さいものならば、基本的には預けるメリットはない。

そう、預ける荷物はだいたい大きいものか、重いもの。だから、それを「手荷物」と呼ぶのは、明らかに言葉選びを間違っていると思うのである。だって「手荷物」だと、不必要に軽やかな印象を与えてしまうではないか。むしろリュックやトートバッグなど、機内に持ちこむ方の荷物を連想してしまう。

本当は機内に持ちこむ方の荷物を「手荷物」と呼ぶべきなのだ。そして、預ける荷物は単純に「預け荷物」にすればいい。預け荷物のカウンターは、「預け荷物カウンター」とすればいい。

 

羽田空港さん、どうでしょう。

 

 

小説『神去なあなあ夜話』を読みました

三浦しをん先生の小説『神去なあなあ夜話』を読んだ。

神去なあなあ夜話 (徳間文庫)

神去なあなあ夜話 (徳間文庫)

 

 『WOOD JOB! ウッジョブ! ~神去なあなあ日常~(2014)』のタイトルで映画化もされた、『神去なあなあ日常』の続編だ。

 

『WOOD JOB! ウッジョブ! ~神去なあなあ日常~(2014)』の予告編。「矢口史靖監督最高傑作」の謳い文句は伊達じゃない。最高に面白くて素敵な村と林業をめぐる人間ドラマ。

神去なあなあ日常

神去なあなあ日常

 

 これが映画の原作。

 

『夜話』のAmazonのあらすじは以下のような感じ。

三重県の山奥、神去(かむさり)村に放りこまれて一年が経った。最初はいやでたまらなかった田舎暮らしにも慣れ、いつのまにか林業にも夢中になっちゃった平野勇気、二十歳。村の起源にまつわる言い伝えや、村人たちの生活、かつて起こった事件、そしてそして、気になる直紀さんとの恋の行方などを、勇気がぐいぐい書き綴る。人気作『神去なあなあ日常』の後日譚。みんなたち、待たせたな!

 

前作『日常』の方は読んでない。 映画『WOOD JOB!』がすきなので、このつづきはどうなるんだろうと思って買った。が、どうも映画と原作はちょこちょこ違っているみたいだ。小説の中だと、主人公の勇気は映画よりずっと純朴そうだし。映画では光石研だった清一さんがイケメンになってるし。

とはいえ、面白かった。誤解を恐れず申し上げますと、めちゃくちゃ面白くはない。だけど、とても心地よくさらりと読めてしまった。三浦しをん先生の作品は、駅伝を題材にした『風が強く吹いている』も読んだけど、そのときも同じ感想を持った。とても不思議だ。

 

物語の価値とは、必ずしも最大風速のみで決まるものではないと思う。

映画でたとえると、『マッドマックス 怒りのデスロード(2015)』のように、猛烈な風が一秒も止まることなく2時間吹きつづけるものすごい作品もある。一方で、『ビフォア・サンライズ(1995)』のように、常にちょうどいい感じの心地よい風がずーーーーっと吹きつづけ、そのままスッと終わっていくような作品もある。

『マッドマックス 怒りのデスロード(2015)』予告編

『ビフォア・サンライズ(1995)』予告編。アメリカ版しかなかった。それにしても、まるで普通の恋愛映画みたいな予告編だ。。これは流石に詐欺ではないか?

 

なんか抽象的な表現になってしまったが、要はここでいう風というのは刺激の強さ、ほどの意味だ。面白さの刺激の強さ。

そして、三浦しをん先生の作品というのは、少なくともぼくが読んだ2作品については、完全に後者の部類に入る。今回感想を書くためにお話をふりかえってみたが、「あそこめちゃくちゃ面白かったなあ」というところはないのだ。じゃあなんで一冊読みきれたかといえば、ずーーーーっとちょっとだけ面白かったので、ひたすら読み進め、気づいたら読み終わっていたのだ。

 

爆発しそうなくらい面白い本もいいけれど、こういうひたすらに心地良い本っていうのも本当に素晴らしいなあと思う、今日この頃でした。

 

全然本編の感想書けんかった。。笑

これから公開予定の超たのしみな続編映画リスト/その⑤

この記事の続き。今回で終わり。 

 

(7)『カイジ/ ファイナルゲーム(2020年1月10日 公開予定)』

9年ぶりの続編(第3作め)にして最終章。藤原竜也演じる主人公カイジが、借金返済のため裏社会の命賭けのゲームに挑むシリーズ。

カイジは前2作ともすきだ。特に一作めは、ブレイブ・メン・ロード(超高所での鉄骨渡り)というゲームの場面で人生最大の手汗をかいた思い出深い作品(気づいたら文字通りビチョビチョに濡れていた)。ぼくは高所恐怖症なのだ。

これが一作目。ブレイブ・メン・ロードは0:55〜。YUIの主題歌もよかった。

これが二作目。「沼」と呼ばれる超超超ハイリスク・ハイリターンのパチンコに挑む。一作目と比べてカイジの戦略が最後の大仕掛け一本なので、ちょっと爽快感は薄かった。でも全然好き。

ちなみに『ファイナルゲーム』の公式あらすじを読むと、"原作にはない全く新しい4つのオリジナルゲーム【バベルの塔】【最後の審判】【ドリームジャンプ】【ゴールドジャンケン】を登場させた"らしい。原作漫画を描いている福本伸行先生が書いたオリジナル脚本なんだそうだ。【ドリームジャンプ】はゲーム名からしてかなり怪しい。手汗記録更新なるか、楽しみなところだ。

監督・主演共に続投。藤原竜也カイジなら間違いなくすきだ。佐藤東弥監督も、わざとらしく大味な演出がこのシリーズでは100%プラスに働いていて、安心感がある。『ガッチャマン(2013)』あたりはかなり稚拙で酷い出来だったので、題材によって合う・合わないがはっきり分かれる監督なのかもしれぬ。

ガッチャマン』は、公開当時付き合っていた女の子と映画館に観に行った。ガラガラの映画館でツッコミどころを指摘してはケラケラ笑ったいい思い出だ。

 

(8)『ヒックとドラゴン/ 聖地への冒険(2019年12月20日 日本公開予定)』

ドリームワークスの傑作アニメシリーズ、ヒックとドラゴンシリーズの3作め。今回は、主人公ヒックのバーク島の長としての成長と、愛龍トゥースの恋愛模様などが描かれる様子。

一作めの『ヒックとドラゴン(2010)』は、同年公開の『トイ・ストーリー3(2010)』と並んで、いまだに全アニメ作品の中で一番すきだ。

まずキャラクターが魅力的。ひ弱だけど心優しく、また創意工夫の人だからこそ、害獣として恐れられるドラゴンを誰よりも深く理解していく主人公のヒック。ナイトフューリー(ドラゴンの中でも最強種らしい)でありながら、愛嬌たっぷりのトゥース。典型的マッチョリーダーだけど息子思いの親父。個性的なヒックの友人の面々。それぞれに特性を持つ多種多様なドラゴンたち。

次に、映像がすごい迫力だ。特に飛翔シーンはすごかった。3Dって、ちゃんと映画にプラスに働くことがあるんだな、と思った初めての作品だった。

音楽もいい。サントラの"Test Drive"と"Romantic Flight"は死ぬほど繰り返し聴いた。

Test Drive」はこの曲。

「Romantic Flight」は1:41~の曲。

 続編の『ヒックとドラゴン2(2014)』は日本ではDVDスルーされてしまった。あとで観てみたら、こちらもいい出来。

ただ、やっぱり飛翔シーンの爽快感が大きな見所のシリーズでもあるので、ぜひ劇場で観たかった。そこへきて、今回3作めは日本でも劇場公開してくれるということで、ホントに嬉しい。 本国アメリカではすでに今年2月に公開されて、批評・一般ともに絶賛されている。

ぼく個人が本作を気にいるかどうかは別として、これほど高評価を得続けるシリーズもあまりないのではと思う。 今から楽しみだ。わくわく。

 

さて、これにてリストは終了。

この他、ランボーラスト・ブラッド(日本公開日未定)』は、前作『最後の戦場』同様にふり切った残虐アクションを見せてくれるなら、ちょっと楽しみではある。

ちなみに今回はシルベスター・スタローンの監督兼任ではない。監督は『アポカリプト(2006)』の助監督をやってた人(本作はメキシコ麻薬カルテルとの戦いらしいので、テレビドラマ『ナルコス』を撮った経歴を買われたのかもしれない。『ナルコス』は面白いらしいけどぼくは観たことない。)ということで、ちょっとワクワクはする。

ただ、前作のラストがあまりに感動的だっただけに、どうしても「また作るの?」感が拭えないのだ。あの感動は、ああこれで彼の戦いは終わったんだ…、と思ったからこそでもあった。

前作『ランボー 最後の戦場(2008)』のエンディングシーン。人体がガンガン吹っ飛ぶゴアな戦闘の後で、まさかのしっとりしたエンディングだったので、余計に沁みた。これは素晴らしかった。

もうランボーは休ませてあげてよかったんじゃないか?それとも、「それでも作る」意味がある作品なんだろうか。シルベスター・スタローンの関わる作品はあまりにも当たり外れが大きすぎて(特大大当たりもあるんだけどね)、絶対面白いはず!と無邪気に期待はできないところがある。

 

また、大作の続編でいうとターミネーター:ニュー・フェイト(2019年11月8日日本公開予定)』も控えているが、これについては正直あんまり期待していない。

シリーズ産みの親のジェームズ・キャメロンが復帰、と大体的に宣伝しているが、ちょっとミスリードではと思う。彼はあくまでも「プロデューサー」として復帰するのであって、監督は『デッドプール(2016)』のティム・ミラー。映画をよく知らない人を騙すような宣伝はやめてほしい。 個人的に『デッドプール』は、一作めは今いち、2作めは最高、という意見なので、『ニュー・フェイト』も安パイではないと思っている。

大体、サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンが復帰したことを予告編で激プッシュしている時点でどうかと思う。喜ぶ人いるの……?

新しい敵ターミネーターも、とっくに食傷気味のナノマシンタイプ(サラサラの粒子になってまたくっつく感じのやつ)っぽいし。

うーーーーーーーーーーーーーん。。。

ただ、『ターミネーター2』の直接の続編とあえて言い切っていること、3部作の構想があるらしいこと、等はちょっと興味をそそられる。少なくとも3〜5作目と比べて、かなり気合が入っている感じはする。

 

ともあれ、面白そうなものも、そうでないものも、実際にこの目で見るまでは絶賛も批判もできない。全部劇場で観たいと思う。

先立つものがあるっていいことだ。

 

以上、「これから公開予定の超たのしみな続編映画リスト」でした。

これから公開予定の超たのしみな続編映画リスト/その④

この記事の続き。

 

(5)『ジョーカー(2019年10月4日 日本公開予定)』

厳密には続編ではない。DCユニバースと合流するのかと思っていたけど、どうやら完全に単独作という扱いらしい(『ジャスティス・リーグ』、『スーサイド・スクワッド』他とは違う世界ってこと)。だけどまあ、あとあと結局は合流する可能性もあると勝手に期待して、無理やり続編リストに入れることにした。

言わずと知れた、バットマンの宿敵、犯罪界の道化王子ことジョーカーの誕生譚。最高。楽しみ。公開された予告編をYoutubeで初めて見たときからずっと公開を心待ちにしていた。ベネチア国際映画祭で金獅子賞を撮ったということで、純粋にドラマとして良質なものなのではという期待感もある。

上記のYouTubeの予告編に、歴代のジョーカー俳優についての以下のようなコメントがあって、なるほどと思った。「ジャック・ニコルソンは"たのしい(funny)"、ヒース・レジャーは"恐ろしい(scary)"、ホアキン・フェニックスは"悲しい(sad)"って感じ」。

ところで、このコメントで完全に無視されていたジャレッド・レトーのジョーカーも、ぼくはすきです。『スーサイド・スクワッド』はいまいちだったけど、作品に恵まれれば化けると思う。

これがジャック・ニコルソンのジョーカー。恐いけど愛嬌満点。

これがヒース・レジャーのジョーカー。怖さはダントツ一番かと思う。

これがジャレッド・レトーのジョーカー。パンクロッカーっぽい派手さが素敵。

ところで、ベン・アフレックバットマン役を降板したのは本当に残念だった(彼が監督・主演するバットマン単独作品の企画もあって、すごく楽しみにしてたのに)。

 

(6)『スター・ウォーズ/ エピソード9/ スカイウォーカーの夜明け(2019年12月20日 公開予定)』

スターウォーズシリーズの最新作。

次の3部作も製作が決まっているし、これからもスピンオフはバンバン作られるに違いない。とはいえ、エピソード7に始まったレイちゃんを主人公とするシリーズは、ここでひとまず完結を見る。はず。

古参のスターウォーズファンからは、今回の3部作はいまいちという意見もきく。が、個人的にはエピソード7、8は今の所スターウォーズシリーズではダントツで面白い2作品だ。ぼくは今20代後半で、エピソード1〜3が作られている傍で青春時代を過ごした世代だ。当時、おじさんたちが「新三部作(エピソード1〜3)は全然ダメだ!」とプリプリしている横で、「いや旧三部作(エピソード4〜6)もつまんないよ。。」と思っていた。スターウォーズシリーズなんて、昔はデザインや音楽が斬新だったのか知らんけど、今見たら古くさいだけで面白くもなんともない、とずっと思っていた。

そんなぼくでも初めて「最高に面白い!」と思ったのがエピソード7。はじめて「これは予想外!」と思ったのがエピソード8だった。

これ( ↓ )がエピソード7。謎めかして終わった要素も多かったけれど、新キャラたちとその関係性の描き方が本当に魅力的。過去作へのオマージュ、オールドファンへの目配せがふんだんに盛りこまれているのも楽しかった。ゴミだと思ったらファルコンだったシーンは、あまりに鮮やかすぎて笑ってしまった。

これ( ↓ )がエピソード8。強引なツイスト(展開のひねり)満載。激怒しているファンも多いようだし、確かにツッコミどころの多い作品ではある。でも一番過去の流れを壊そうと振り切っている作品でもある。全然好き。

今度のエピソード9は、エピソード7で監督を務めたJJエイブラムスが続投する。

広げた風呂敷をどこまで畳めるかはわからないが、とにかく見ている間ずっとワクワクするような作品にしてくれるに違いない。 熱狂的なファンじゃないからこそかもしれないけれど、ただただ素直にお祭りとしてたのしみ。

 

リストはもうちょいつづく。