小説『神去なあなあ夜話』を読みました
三浦しをん先生の小説『神去なあなあ夜話』を読んだ。
『WOOD JOB! ウッジョブ! ~神去なあなあ日常~(2014)』のタイトルで映画化もされた、『神去なあなあ日常』の続編だ。
『WOOD JOB! ウッジョブ! ~神去なあなあ日常~(2014)』の予告編。「矢口史靖監督最高傑作」の謳い文句は伊達じゃない。最高に面白くて素敵な村と林業をめぐる人間ドラマ。
これが映画の原作。
『夜話』のAmazonのあらすじは以下のような感じ。
三重県の山奥、神去(かむさり)村に放りこまれて一年が経った。最初はいやでたまらなかった田舎暮らしにも慣れ、いつのまにか林業にも夢中になっちゃった平野勇気、二十歳。村の起源にまつわる言い伝えや、村人たちの生活、かつて起こった事件、そしてそして、気になる直紀さんとの恋の行方などを、勇気がぐいぐい書き綴る。人気作『神去なあなあ日常』の後日譚。みんなたち、待たせたな!
前作『日常』の方は読んでない。 映画『WOOD JOB!』がすきなので、このつづきはどうなるんだろうと思って買った。が、どうも映画と原作はちょこちょこ違っているみたいだ。小説の中だと、主人公の勇気は映画よりずっと純朴そうだし。映画では光石研だった清一さんがイケメンになってるし。
とはいえ、面白かった。誤解を恐れず申し上げますと、めちゃくちゃ面白くはない。だけど、とても心地よくさらりと読めてしまった。三浦しをん先生の作品は、駅伝を題材にした『風が強く吹いている』も読んだけど、そのときも同じ感想を持った。とても不思議だ。
物語の価値とは、必ずしも最大風速のみで決まるものではないと思う。
映画でたとえると、『マッドマックス 怒りのデスロード(2015)』のように、猛烈な風が一秒も止まることなく2時間吹きつづけるものすごい作品もある。一方で、『ビフォア・サンライズ(1995)』のように、常にちょうどいい感じの心地よい風がずーーーーっと吹きつづけ、そのままスッと終わっていくような作品もある。
『マッドマックス 怒りのデスロード(2015)』予告編
『ビフォア・サンライズ(1995)』予告編。アメリカ版しかなかった。それにしても、まるで普通の恋愛映画みたいな予告編だ。。これは流石に詐欺ではないか?
なんか抽象的な表現になってしまったが、要はここでいう風というのは刺激の強さ、ほどの意味だ。面白さの刺激の強さ。
そして、三浦しをん先生の作品というのは、少なくともぼくが読んだ2作品については、完全に後者の部類に入る。今回感想を書くためにお話をふりかえってみたが、「あそこめちゃくちゃ面白かったなあ」というところはないのだ。じゃあなんで一冊読みきれたかといえば、ずーーーーっとちょっとだけ面白かったので、ひたすら読み進め、気づいたら読み終わっていたのだ。
爆発しそうなくらい面白い本もいいけれど、こういうひたすらに心地良い本っていうのも本当に素晴らしいなあと思う、今日この頃でした。
全然本編の感想書けんかった。。笑